コロナ禍ウクライナ危機の長期化により、2022年は先行きの見通せない経済情勢と物価の上昇という2つの要因が家計を脅かしている。

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 足元では政府に対して、一律給付金の復活を求める声も広がりを見せつつある。しかし、一部の地方自治体では、国に先んじて家計支援に乗り出すところも出始めている。

大阪市ユニークかつ効果的な家計支援方法とは?

 大阪市では、コロナ禍や物価の高騰で影響を受けている市民生活を支援するため、22年8月分から10月分までの上下水道料金の基本料金を免除する。今回の免除は申請不要であるため、大阪市に住居を構えていれば一律で対象となる。

 具体的には、1カ月あたり水道基本料1540円(上水道935円・下水道605円)の3カ月分、4620円を現金で支給するのとほぼ同じ効果となる。

 実のところ、この家計支援策は5月25日大阪市Webページで発表されていた内容ではあったが、広く知られてはいなかった。そのため、SNS上では、8月分の検針結果があまりにも安いことで、初めて水道基本料金の免除を知った人も少なくなく、サプライズ的な家計支援として支持を集めている状況だ。

 単身世帯の場合では該当期間の使用水量が10立方メートルを下回るケースも多い。それほど水を多く使わない単身世帯で、該当期間の使用水量が例えば5立方メートルであった場合、水道料金は55円程度になるようだ。

 上水道と下水道の利用バランスにもよるが、10立方メートルまではおおむね1立方メートルあたり11円程度の安価な利用金額で当面は水道が利用できる。

 複数世帯の場合は、1カ月あたりの使用水量が平均でおよそ20立方メートルとなる。この場合の水道料金は、これまで3388円程度であったものから1540円が差し引かれて1848円とおおよそ4割減となるようだ。

公共料金の基本料金減免は公平?

 ただ割合だけでみると、単身世帯が9割ほど水道料金を免除されるにもかかわらず、家族世帯は4割ほどの免除に留まっている点で不平等にも思える。

 しかし今回免除の対象となった「基本料金」とは、水道施設の維持管理のために使用水量にかかわらず利用者が負担する性質のものだ。したがって、単身世帯はその基本利用金を平時は1人で負担している反面、上記の3人家族の例では基本料金を家族3人で分け合っているとみることもできるだろう。

 さらに、水道の従量部分に減免措置を加えてしまうと、水道をよく使う世帯の減免効果が最大化されてしまい、かえって不平等な結果を招いてしまう。ややもすれば、わざと大量の水を利用するといったモラルハザード的な利用者が出現するリスクもある。

 以上のことから、基本料金に絞った給付は、平時に基本料金を多くの割合で支払っており、特に生活に困窮していて使用水量を絞らざるを得ない世帯への実質的な給付効果が最大化されることになるため、効率的な支援策であるといえるのではないだろうか。

 このように、公共料金の基本料金の減免は見た目以上に公平で目に見える効果がある。

公共料金減免は現金・クーポン支給よりも効率的だ

 公共料金のような支出を減免することで実質的に給付を行う手法は、これまで国が行なってきた現金やクーポンの支給と比較しても、はるかに効率的であるといえるだろう。

 21年末には18歳以下を対象とした10万円相当の給付について、5万円の現金給付を行ったのちに5万円相当のクーポンを支給するための事務経費が、1200億円の見積となったことが問題視された。

 現金給付のみであれば300億円程度の事務経費で済むことから、全国1741の自治体の中でクーポン支給を選択したのは7自治体しかなかった。それでも現金を振り込むだけで数百億円もの事務経費がかかったことには変わりない。

 水道は、公衆衛生向上のためのツールの1つでもあり、コロナ禍の中で入浴や手洗いうがいといった感染予防のために必要不可欠な公共インフラであるといえよう。そういった観点からも、地方自治体が水道というインフラの基本料金に着目して減免施策を行うことは家計支援と併せて一石二鳥であるといえるのではないか。

●水道料金の基本料免除、全国に広がる

 このような大阪市の発表などを受けて、水道の基本料金の免除を行う自治体がじわじわと増えている。7月には、兵庫県丹羽市が9~12月にかけての水道料金の基本料金(下水道除く)を免除することを発表した。

 8月には兵庫県赤穂市も9~12月の水道基本料金(下水道除く)を免除することを発表している。他にも、今年だけで札幌市山口県下関市奈良県王寺市、岐阜県笠松町、栃木県宇都宮市茨城県古河市埼玉県和光市など、さまざまな地方自治体が水道基本料金の一律免除の導入を決定した。今後も導入自治体は増加していくものとみられる。

 足元では、原油高によって火力発電にかかるコストが増加した結果、電気代の高騰も著しい。ただし、電力は民営化・自由化の流れによって、顧客構造が地域に根ざした水道と比較してかなり複雑化している現状もある。

 そうであるとするならば、政府が電力事業者に補助金を付与することで、電気利用者の基本料金を減免するような施策を実施していくことが、現金の直接給付よりも一層効率的かつ効果的な家計支援策となるのではないだろうか。

(古田拓也 カンバンクラウドCFO

効果的な水道料金の基本料免除(写真提供:ゲッティイメージズ)


(出典 news.nicovideo.jp)

このような効果的な支援は全国的に実施してもらいたいですね。

<このニュースへのネットの反応>

間に変な中抜き業者入れなくて済むからオトクですな