地球温暖化の一因とされる二酸化炭素CO2)削減のため、国内外で自動車ガソリン車から電気自動車バッテリー電気自動車、BEV)にシフトする動きが進んでいる。メディアも、自動車各社の新型BEVの動向を報じており、いつの間にか人々に「次世代自動車=EV」という認識が浸透しつつあるように感じる。

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 そうした動きがなぜ出ているのかと疑問を感じた記者は、このほど開催されたトヨタ自動車記者会見で、豊田章男社長に「世界はなぜEV一択なのか」と直球質問した。豊田社長の回答とは? 回答全文とともに、社長の思いをまとめた。

●「カーボンニュートラル達成のための敵は炭素。内燃機関ではない」

 記者の素朴な疑問に対し、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させる「カーボンニュートラル」(CN)達成のため、豊田社長がまず明言したのが「CN達成の敵は炭素」という点だ。

 確かに、現行のガソリン車の内燃機関(エンジン)から排出される炭素が問題であって、内燃機関そのものに問題があるわけではない。燃料を変えてしまえば、この問題は解決できる可能性が高い。ガソリンと電動モーターで駆動する「ハイブリッド車」という新ジャンルを開拓し、世界に衝撃を与えた、トヨタならではの視点だ。

●EVシフトは投資家の思惑?

 では、なぜ「CN=BEV」という認識が広がっているのだろうか。豊田社長は「投資を誘発させたい一部の方々が、積極的に発言されているのだと思う」との見解を示した。ただ、「この1年間を見ていると、BEV一辺倒から割と変わってきている」と手応えも感じているようだ。

 トヨタ2021年12月、30年までに30車種のBEVを投入する計画を発表した。その一方で、現行の内燃機関を維持しつつ、水素を燃料にした「水素エンジン」の開発も本格化させている。

 豊田社長は「われわれのビジネスはBtoCなので、顧客により多くの選択肢を提供したい。選択肢は市場とお客さまにあるということにこだわりを持ってやっている。そういう意味では、多様化した社会には多様化した選択肢・解決策があるのではないか。水素エンジン選択肢の一つだ」と話している。

●発電段階でCO2を排出するEV

 国内外ではEVシフトがしきりに叫ばれている。確かに、EVそのものからCO2は排出されないが、動力源となる電力の発電段階で、火力発電所などからCO2を排出する。EVは航続距離に加え、充電場所の数が少ない点も課題となっている。

 次世代自動車復興センターの集計によると、日本国内の充電スポット数は全国の充電スポット数は1万8270カ所(20年3月末時点)。ガソリンスタンド(GS)の6割にとどまるという。フル充電までに時間がかかることによる充電待ちの懸念や、充電スポットが少ない地方では“充電難民”になるリスクも、弱点として指摘されている。

 これに加え、現在、市販されているBEVの多くは高価な車種が多い。例えば、米テスラの低価格帯モデルモデル3」や日産「アリア」はいずれも500万円台だ。日産・三菱自2社が発表した軽EV「SAKURA」「ekクロスEV」(補助金込みで180万円台)という一部車種を除いて、多くの場合、ガソリン車よりも価格面で劣る。

 豊田社長は会見で「自動車というのは全ての方に移動の自由を与えるもの。決して富裕層だけが移動の自由を得るのではない」と発言した。この言葉の真意は、高価な車種が多いBEVを念頭にしたものとみられる。BEVの普及には価格面での課題も解決しなくてはならない。

 電力需要のひっ迫を理由に、企業や国民にエアコンの設定温度を28度にするよう求めるなど節電を要求するような国で、EVがどの程度普及するのか。トヨタの水素エンジンの動向とともに、今後注目が集まりそうだ。

●豊田社長の回答全文

カーボンニュートラルを達成するための敵は炭素。内燃機関ではない。炭素を減らすことがCN実現の近道。エネルギーを作る、運ぶ、使うという点でBEV(バッテリー電気自動車)だけということに、投資を誘発させたい希望を持つ一部の方々が積極的に発言されているのだと思う。われわれのビジネスはBtoCなので、市場と顧客により多くの選択肢を提供したい。選択肢は市場とお客様にあるということにこだわりを持ってやっている。そういう意味では、多様化した社会には多様化した選択肢・解決策があるのではないか。そのための1つの選択肢として、われわれは水素エンジンを開発している。

ただ、トヨタは水素エンジンだけをやっているというわけではない。トヨタはBEVもやっているし、日本の強みであるハイブリッドも長年やり、この20年間でCO2の削減は、どの国と比べてもそん色ない形で達成してきている。今すぐCO2を減らせること、長期的でかつ、政府の補助金などに頼らず持続的に自立してCO2を減らす方法をみんなで考えていくべきだし、大事なことは選択する権利を持っているのは、お客さまで、市場であることをご理解いただきたい。

この1年間を見ていると、BEV一辺倒から割と変わってきていると感じている。最後はお客さまが選ぶということなので冷静に現実を見て頂きたいし、モビリティ自動車というのは全ての方に移動の自由を与えるもの。決して富裕層だけが移動の自由を得るのではない。インフラがないところでも移動の自由を得て、CO2削減に貢献できるということをどの自動車メーカーも模索しているのではないか。

記者会見に出席した豊田章男社長(出典:トヨタ公式YouTubeチャンネルの動画)


(出典 news.nicovideo.jp)


<このニュースへのネットの反応>

現状の世界を見渡せば、EVノータッチは自動車企業として致命傷になる。日本企業はハイブリッドで20年は研究の為の時間稼いでる。その上で水素エンジンが未だ残ってるのはEVの課題(充電発火事故等)がまだまだ残ってるんだろうなって。 >充電待ち 『横浜買い出し紀行』みたいな、バッテリーを共通規格化してスタンドで交換する方式とか研究してないのだろうか?





EV車が主流になれば、10年落ちの中古車なんて誰も買わなくなるな。今のハイブリット車でも、バッテリー全替えだろ?テスラなんか、使い捨てと聞くぞ?


欧州お得意の自分ルール適用&ゴールポスト動かしなんぞに付き合っていたら解決する問題も解決せんわな。トヨタの方針はええと思うよ。


水素はステーション数の問題がより深刻だし、引火性のガスということで軽油やガソリンより扱いが面倒、水素の製造にCO2出るのでカーボンニュートラルの観点でもEVに勝ってるわけじゃない。簡単な道ではない


水素ステーションは設置するだけでも資格と責任のハードルが高い 乙4程度で管理できるGSなみまで難易度落とせば普及できるんじゃね?とは思う


水素ステーションを乙4レベルで管理されても困る。タクシーなどに給ガスしてるLPスタンドじゃないんだから。水素をLPDやDMEに改質ししてプロパンエンジンで走れば危険性も急速充填もガソリンエンジンからの改造も簡単で安価に走れるんだがな。それを先行して研究開発する意味は大きいんだけどね。


日本車に勝てないからだよ。


豊田社長は当初、EVに反対してた。世界がCN達成の流れになり、トヨタとそこで働く社員を守るためEVの方向にも舵を切った。その矢先に日本は再エネ推進をしながら節電を訴え、場合によっては計画停電する話まで出てくる始末。自動車業界の憤りは如何ほどのものか。そんな社長を引き合いに出して「世界はなぜEV一択なのか」という見出しをつけるセンスを疑う。


見出しは中身からすると反語的な意味合いじゃないの?「EVでNCとかほざいてるけど電気作るCO2はシカトしてるよなw」って言ってるし


らっぽ>水素エンジン作ってるトヨタだからこそ、何故EV一択に成ってるのかって疑問をぶつけてみたんじゃない? 冷静な意見が聞けそうだし。